人間が折り重なって爆発した

人間が折り重なって爆発することはよく知られています。

ヴ日記

・「神の子どもたちはみな踊る」を読んだ。

どれも良かったが、最後の話が良かったですね。阪神大震災に関連した短篇集ということもあるのだろうが、初期の村上春樹の短編とはまた違ったものを書いているように思う。面白さ優先みたいなセンテンスも少ない。内容は面白い。

・「ロスト・シティZ 失われた黄金都市」見た。ネットフリックス。

南アメリカのジャングルの中で古代人の都市を探し求めたイギリス人探検家パーシー・フォーセットの伝記的映画。意欲はあるが勲章のない中年士官がベル・エポックの時代から第一次世界大戦、そして戦間期に至るまでの話で個人的には好き。映画の作りとしては丁寧だけど特に突出したものはない気はする。最初はボリビアの国境線調査として赴くが、途中からは古代遺跡探索に憑りつかれる。ボリビアの最後の人里が「闇の奥」っぽくて良い雰囲気。ジャングルの中のオペラ。鬱屈としたゴム農園主。漫画肉みたいになって木に巻き付けられて運搬される天然ゴム。キップリングの詩。ボリビアの川をさかのぼる船が竹で出来た筏に見えるのだが、南米って竹が多いのだろうか。ドイルの「失われた世界」でも竹林が出てきた気がするが。第一次世界大戦でソンムの塹壕に突然ロシアの占い師が出てくるのは笑う。1916年9月26日のソンムの戦いが描かれる。その十日ほど前の15日のソンムは初めて戦車が歴史上実戦投入された日だが、別にマークⅠは出てこない。「失われた世界」で出てくるような公会堂での演説と野次が映像になってるのはちょっと感動した(それもそのはずで「失われた世界」はフォーセットの影響を受けているわけで、ドイルは同時代人である)。

・「さらば復讐の狼たちよ

辛亥革命後に混沌している中国辺境で山賊が県知事になりすまして地主をぶっ飛ばす映画。これはかなり良い。ハリウッドというか欧米映画にないノリを感じる(私の了見が狭いだけだが)。冒頭に馬列車で県知事と夫人と書記官がクソデカい火鍋を囲っているシーンがあり、それだけで大正解になってしまう。湿地の中に県の城があり、太鼓を叩いて迎えてくれる女たち、クソデカい太鼓と暴漢にいじめられて蹴られ続ける町人など。大通りで金と銃を町民に配るシーン。モーゼル銃っていうんですかね、あの独特な形の拳銃。ともかく良い映画である。全体的にギャグ要素が多いが、締めるところは締めている。山賊と地主のヤクザ闘争の間にヘタレな書記官が挟まるのが良い。この書記官は女にも金にも権力にもだらしないが、ある意味ではとても正直な日和見主義者であり、時に感情をむき出しにする。ストーリー上でも二人はこの書記官を上手く交渉の緩衝材に使う。解説記事を読むと冒頭の馬列車は社会主義を意味するらしいが、冒頭でその馬列車は山賊に破壊されるものの、ラストでは財を得た棟梁の手下がそれに乗り込み、無邪気に上海に向かって行くなか、財も名誉も女も欲しがらず貧しい民衆に尽くした棟梁だけが馬に乗ってとぼとぼその列車の後をついていく。これがまたたまらなくエモくて良い。チアン・ウェン監督はけっこう有名らしいので機会があれば見ていきたい。

あと、最近は1910~1930年の中国を舞台にした映画をいろいろ見たいなあと思っている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/Category:%E4%B8%AD%E8%8F%AF%E6%B0%91%E5%9B%BD%E6%99%82%E4%BB%A3%E3%82%92%E8%88%9E%E5%8F%B0%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%9F%E6%98%A0%E7%94%BB%E4%BD%9C%E5%93%81

このあたりを参考にして見ていきたい。あと以前から話題の中国で放送されている抗日ドラマの一群がとても気になっている。

・Violet ray

ひょんなことから、20世紀前半のアメリカで「Violet ray」というインチキ医療器具があることを知る。翻訳するなら「紫光線」? 発明はニコラ・テスラにさかのぼるらしい。

https://en.wikipedia.org/wiki/Violet_ray

大正時代にも日本に同類の「ヴィオラー」なる医療器具があったようで国会図書館デジタルアーカイブにあった。

https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/913789?tocOpened=1

よくわからんPDF資料

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam1948/24/3/24_3_165/_pdf

WIREDの100年前の電気治療器具特集。ミネアポリスのBakken Museumというところに大量にそういう器具が展示してあるらしい。暴動で燃えてないといいですね。

https://wired.jp/2015/03/14/strange-antique-medical-devices/

アメリカのインチキ電気医療器具をまとめた本があるらしい。

https://www.amazon.co.jp/Body-Electric-Strange-Machines-American-ebook/dp/B00AIQE12Y/ref=tmm_kin_swatch_0?_encoding=UTF8&qid=&sr=

英語のウィキペディアにある電気療法の一覧にマトモなやつとエセなやつが混合して載ってる。

https://en.wikipedia.org/wiki/Category:Electrotherapy

 ・「クソデカ羅生門

というのが流行っていたらしい。こういうのはサンプリングの面白さだと思うので、なんかもっといろいろやれそうである。サンプリング、カットアップ、リミックス。

https://anond.hatelabo.jp/20200611125508

・「みそは入ってませんけど」

最近は通称:みそ兄貴のブログを楽しみにしている。だいたい全ての記事が面白い。勝てない。やるしかねえ。

https://not-miso-inside.netlify.app/blog/

以上。