人体からラジウムが出たり爆発したりする
前回の記事で人体から放射線が出るという話を書いたが、こういうノリは明治時代にたしかにあったらしい。
私が好きなブログに山下泰平のブログがあり、この記事にもそういう話が出ている。
また、別の話では明治41年に出た「科学小説 ラヂューム」(船本新吾)という小説がある。
この 話の中で語り部の友人・泉野君はラヂュームの第一発見者ということになっている。(以下「千里眼事件」(長山靖生)より孫引き)
僕の発見した新元素は永久に燃焼して、絶えず他に熱と光と勢力とを与え、其の元素自体は絶えず自己を補成して少しも変ずる事がないのだ、して見ると此の発見というものは即ち、現代の組織を全然改造するものといわねばならぬ。
我が新元素の溶液を薬品として摂取すれば、人体に無脚無窮の勢力を与えて、其の人は即ち不老不死となるのだ。
見よ闇中に友の身体は煌々たる光明を放つではないか、泉野君の面も手も、恰も燐に包まれた様に見える
泉野君はラヂュームを摂取し、体がピカピカと光るようになる。そして常に発熱するようになり、着物をボロボロにしてしまう。(だから鉛で出来た着物を着る必要がある)
最終的に泉野君は家ごと爆発して死ぬ。
とのこと。
鉛で出来た着物を着るのメチャクチャ良いですね(原文を読んでみたいが国会図書館くらいにしかなさそう)
当時のSF小説入選作がこういう感じなので、放射線・放射能に対してはこのくらいの認識だったのだろうという感じがある。
はい。