漫画「ゴールデンカムイ」の北海道ゴールドラッシュは実際にあった
「ゴールデンカムイ」という漫画がある。
アイヌ人が隠した金塊を巡って日露戦争帰りの兵隊や新選組の生き残りがドッタンバッタンする歴史漫画である。スゲー面白い。
ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者: 野田サトル
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2015/02/19
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (122件) を見る
この漫画には北海道がゴールドラッシュだった頃にアイヌ人が採掘した金塊をどこかに隠したという話が出てくる。
北海道でゴールドラッシュ というのは作者が勝手に作った設定だと思っていたのだが、
「日露戦争 もうひとつの『物語』」(長山靖生)を読んでいると以下のような記述が出てきた。
実は日本政府は、以前から財政難を切り抜けるために、未知の金鉱を探っていた。明治33年には北海道の枝幸で、翌34年には北海道の徳富川で、それぞれ砂金が見つかり、採掘者が殺到して時ならぬゴールドラッシュが起きていた。政府は勅令を発して採掘取り締まりに当たったが効果は薄く、また採掘量も期待したほどではなかった。
ちょっと調べてみると以下のサイトが詳しいようだ。
北海道の砂金産地は明治10年代の道南部から日高沿岸部の各河川へと伸び、それらの源流部から山越えをして明治20年代には夕張川上流地帯、空知川上流地帯へと広がり、さらには、襟裳岬を通って十勝の歴舟川などで砂金が採取されるようになる。
西尾銈次郎の報告によれば、堀川泰宗の探検によって、明治31 年6月に発見されたパンケナイ川には7月にはいると、砂金採取者たちがすでに数百人ほど入り込んでたという。これらの人々はほとんどが勝手に入り込んで砂金を採取する、いわゆる密採者で、それぞれの1匁(3.75㌘)~1.5匁(5.62㌘)ほど収穫があった。8月になるとウソタンナイ川の砂金も発見されて、ここでは一人に男が1週間の間に数十匁の砂金を得たという噂も流れ、9月には400から500人ほどの密採者たちがウソタンナイ川に殺到し始めた。
こうして「北見枝幸のゴールドラッシュ」は、ウソタンナイ川においてこの時開始された。
そして引き続き隣接するぺーチャン川においても豊富な砂金が発見されると、北の黄金をめぐる騒動はますます拡大されていった。4月には、わずか25人であった採取者の数が5月には14.743人となり、それが日ごとに増えて7月になると30.000人を越し、9月には50.000人に達する。そして、12月に入ってもなお2000人もの人々が砂金を採取し続けていた。
日露戦争が起きたのが明治37年なので、ゴールデンカムイで描かれているのは明治40年ごろだと思う。
ということは作中の世界では30年前くらいから北海道で金がポツポツ取れ始め、9年前くらいからドカンとゴールドラッシュが起きたということだろうか。
鴻之舞にかつてあった金鉱山は有名なようでウィキペディアにも言及がある。
どうやら北海道は地質的に金塊がけっこう取れるっぽい。北海道の地理をよく知らないのだが、金鉱の分布を地図を追いながら見ていくと面白いかもしれないですね。
俺も金塊欲しい~~。