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紅楼夢9で頒布した東方SSの解説

pixivに去年の紅楼夢9で頒布したSSを上げました。

http://www.pixiv.net/novel/member.php?id=12416576

頒布したものには巻末に解説を書いていたのですが、その解説はこちらのブログに載せておこうと思います。

 


「パチュリーと美鈴の義和団事件」/「柊正午」の小説 [pixiv]

ピッケル帽】

ドイツ帝国において軍隊、警察、消防の人たちが着けていたヘルメット。

【扶清滅洋】

民兵組織である義和団が掲げたスローガン。「清国を助けて外国人を倒そう」という意味。一九世紀末の清国では西欧列強の圧力の下、横暴なキリスト教徒と民間人の間で衝突が多発し、民間人が武力集団を作ってそれに対抗した。そのことが義和団事件に発展していく。

【フォン・ウーゼドム(一八五四~一九二五)】

ドイツ海軍大佐。八カ国連合軍の総指揮官はイギリスの軍人で、ウーゼドムはその下で指示を受けていた。ちなみに史実ではウーゼドムは線路爆破などの妨害に遭い、北京には入城できていません。

【アレクサンダー・フォン・ファルケンハウゼン(一八九七年~一九六六年)】

最終的に中将にまでなるドイツ軍人。ヒトラー暗殺計画に加担した。義和団事件に派遣されているが、北京に入ったかどうかまでは著者の知るところではない。また、元貴族の出であることや陸軍幼年学校に入っていたことなどから考えると、当時でも階級はもっと上だったかもしれない。


「パチュリー・ノーリッジとスワスティカの宝石」/「柊正午」の小説 [pixiv]

【越境路地域/アウトサイド・ロード・エリア】

上海共同租界の中国内陸への境界線周辺地域。上海市当局は中国内陸部に道を建設し続けることで、実際的に租界を拡張していた。越境路地域では富裕層が屋敷を多く建てていた。所謂、閑静な高級郊外住宅地である。

【カール・ハウスホーファー(一八六九~一九四六年)】

ドイツの地政学者。一九〇八年~一九一〇年に日本のドイツ大使館に勤務。帰国後、日本に関する博士論文を書いた。日本の韓国併合の手並みを評価していた。ヒトラーの側近ルドルフ・ヘスは教え子にあたる。ヒトラーハウスホーファーの講義を受け、「生存圏」理論はナチスの思想に取り入れられた。左の写真は一九一〇年のもの。

【ヴワル協会】

史実(?)での名称はヴリル協会。そもそも実在が疑われている団体らしい。協会名の由来は本文の通り。地底種族の名前はヴリル=ヤである。一九一八年に創設されたが、作中では年を変更している。ちなみに「来るべき種族」の著者エドワード・ブルワー=リットンの孫ヴィクターは「リットン調査団」の団長。

【ディートリッヒ・エッカート(一八六八~一九二三年)】

ナチスがまだ前身団体だった頃からの主要メンバー。ヒトラーに社交界での振る舞い方を教えるなど、初期からヒトラーを支えた人物。酒、麻薬、ギャンブルに溺れていたのは史実のようですが、女たらしは著者の脚色です。

【神智学会】

一八七五年にロシア帝国出身のプラヴァツキー夫人が立ち上げた神秘思想結社。

バイエルン王国

ドイツ帝国成立時に王国を維持したまま帝国の一領邦となる。

【ルートヴィヒ二世(一八四五~一八八六年)】

第四代バイエルン国王。中世趣味があり、ノイシュヴァンシュタイン城など凝った城をいくつも作る。それらの建築費や戦争の賠償金もあって国が傾いた。「狂王」の異名を取る。作中ではそれに加えて魔法研究に没頭したとした。

【鉤十字/スワスティカ】

鉤十字といえばナチスハーケンクロイツが有名であるが、鉤十字自体はアーリア人の象徴であった。そのため当時の西欧においてもいくつかの団体がナチス(というかこの頃はまだナチスはありませんが)と関係なくこの意匠を用いていた。ちなみに作中のペンダントの丸みのある鉤十字はトゥーレ協会(ナチスの母体の一つ)の紋章を元にしている。下の画像はその紋章。

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